フィネアスゲージ
心理学における「フィネアス・ゲージ」:脳損傷によって人格が変化した人物
フィネアス・ゲージは、1848年に鉄道建設中の事故で脳を損傷し、その後著しい人格変化をきたしたことで知られる人物です。彼の事例は、脳と人格の関係を理解する上で重要な役割を果たしました。
事故と人格変化
1848年9月13日、当時25歳だったフィネアス・ゲージは、アメリカ合衆国バーモント州で鉄道建設の作業員として働いていました。作業中に、全長約1m、直径約3.8cmの鉄棒が彼の左眼窩から入り、左頭頂葉を貫通してから後頭部を抜け出るという事故が発生しました。
奇跡的に命は取り留めたものの、ゲージは事故後、衝動的、無礼、攻撃的などの性格変化をきたしました。また、計画性や先見性が欠如し、危険を顧みない行動をとるようになりました。
脳損傷の影響
ゲージの脳損傷は、左前頭前野と左頭頂葉に及ぶものでした。これらの領域は、人格、感情、衝動制御、計画性などの機能に関与していることがわかっています。
ゲージの性格変化は、これらの脳領域の損傷によって引き起こされたと考えられています。特に、左前頭前野の損傷は、彼の衝動性や攻撃性の原因と考えられています。
フィネアス・ゲージの重要性
フィネアス・ゲージの事例は、脳と人格の関係を理解する上で重要な役割を果たしました。彼の事例は、脳の特定の領域が人格や行動にどのような影響を与えるのかを明らかにした最初の事例の1つであり、その後の脳科学研究に大きな影響を与えました。
参考URL
フィニアス・ゲージについて - 銀座泰明クリニック
第5,6回「前頭葉について ?1,2?」 | 医療法人社団 敬仁会 | 桔梗ヶ原病院
https://www.keijin-kai.jp/news/4359
フィネアス・ゲージ - Wikipedia
https://fi.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:Etusivu
補足
フィネアス・ゲージは、事故後も12年間生き、1860年に37歳で亡くなりました。彼の遺体は、現在もバーモント州の博物館に展示されています。
ゲージの事例は、脳と人格の関係を理解する上で重要な役割を果たしましたが、脳科学は複雑な分野であり、彼の事例だけで脳と人格の関係を全て説明することはできません。今後も、更なる研究が必要です。