歩道橋問題
心理学における「歩道橋問題」:トロッコ問題と対比される倫理的ジレンマ
歩道橋問題は、トロッコ問題と並んで、倫理学や心理学でよく用いられる思考実験です。トロッコ問題と同様に、簡単な答えのない倫理的なジレンマを提示することで、私たちの道徳観や倫理的な判断基準について考えさせてくれます。
状況
あなたは、高い歩道橋の上にいます。その下には、線路があり、暴走したトロッコが走っています。線路の上には、5人の作業員が立ち往生しています。あなたは、橋から1人の通行人を突き落とすことで、トロッコを止めることができます。
問い
あなたは、通行人を突き落として5人の命を救うべきでしょうか?それとも、5人の命を犠牲にして、通行人を救うべきでしょうか?
歩道橋問題とトロッコ問題の違い
歩道橋問題とトロッコ問題は、どちらも5人の命を救うために1人の命を犠牲にするかどうかという倫理的なジレンマを扱っていますが、以下の点で重要な違いがあります。
行為の直接性: トロッコ問題では、レバーを引くという間接的な行為によって1人の命を犠牲にするのに対し、歩道橋問題では、通行人を突き落とすという直接的な行為によって1人の命を犠牲にすることになります。
意図性: トロッコ問題では、レバーを引くという行為は、5人の命を救うという意図で行われるのに対し、歩道橋問題では、通行人を突き落とすという行為は、5人の命を救うという意図で行われるとは限りません。
心理学研究における歩道橋問題
心理学研究においては、トロッコ問題と歩道橋問題に対する回答の違いが注目されています。多くの場合、人はトロッコ問題ではレバーを引いて5人の命を救うことを選択する一方で、歩道橋問題では通行人を突き落とすことを選択しないという結果が出ています。
この結果は、行為の直接性や意図性が、人の倫理的な判断に影響を与えることを示唆しています。
参考URL
【男女の脳の差】科学的に根拠があるのか? 脳科学者・山鳥恭平氏に聞いてみた | マガジン「オルタナティブオンライン」
https://globis.jp/article/57383/
男脳 vs 女脳? 科学的に正しい脳の男女差とは?