心理学用語

クリューバー・ビューシー症候群

心理学における「クリューバー・ビューシー症候群」:扁桃体の損傷による行動の変化

クリューバー・ビューシー症候群は、両側の扁桃体を損傷したサルや人間に見られる行動の変化の総称です。1939年に、アメリカの神経病理学者であるハリー・クリューバーとポール・ビューシーによって報告されました。

症状

クリューバー・ビューシー症候群の主な症状は以下の通りです。

無責任な行動: 危険な状況や社会的規範を無視した行動をとる。

攻撃性: 攻撃的な行動をとったり、暴力的な言葉を発したりする。

恐怖心の消失: 恐怖を感じることがなくなり、危険な行動をとる。

過剰な性欲: 性欲が亢進し、適切な場所やタイミングをわきまえずに性的な行動をとる。

食事習慣の変化: 偏食や過食などの異常な食事習慣がみられる。

視覚的失認: 物体や顔を認識することができなくなる。

口唇傾向: 常に口を開け、口を動かし続ける。

原因

クリューバー・ビューシー症候群は、両側の扁桃体の損傷によって引き起こされます。扁桃体は、側頭葉の内側にあるアーモンド型の構造であり、感情や記憶、学習に関与していると考えられています。

動物実験

クリューバー・ビューシー症候群は、主にサルを用いた動物実験で研究されています。サルに両側の扁桃体を切除すると、上記のような症状が現れることが示されています。

人間の場合

人間の場合、クリューバー・ビューシー症候群は、脳腫瘍や脳卒中などの原因で両側の扁桃体が損傷を受けた場合に発症することがあります。

治療

クリューバー・ビューシー症候群の根本的な治療法は確立されていません。症状を緩和するためには、薬物療法や行動療法などが行われます。

参考URL

クリューバー・ビューシー症候群 - 脳科学辞典

Kluver-Bucy syndrome - Wikipedia

https://en.wikipedia.org/wiki/Kl%C3%BCver%E2%80%93Bucy_syndrome

補足

クリューバー・ビューシー症候群は、扁桃体の機能を理解する上で重要な研究資料となっています。今後も、研究を通して、この症候群のメカニズムや治療法についてさらに解明されていくことが期待されています。


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