自閉スペクトラム症
心理学における「自閉スペクトラム症」とは?
自閉スペクトラム症(ASD)は、神経発達障害の一種であり、社会的コミュニケーションや対人関係、興味や活動のパターンに持続的な困難がある発達障害です。20世紀初頭にカナーによって発見され、現在では世界中で広く認知されています。幼児期から発症することが多く、男性の方が女性よりも4倍多く発症するとされています。
自閉スペクトラム症の主な特徴
自閉スペクトラム症の主な特徴は、以下の通りです。
社会的コミュニケーションや対人関係の困難
非言語コミュニケーションの理解や使用が困難
相手の気持ちを理解するのが困難
友達を作るのが困難
集団での活動が苦手
興味や活動のパターンが限られている
特定のものに強い興味を持つ
繰り返し同じ行動をする
想像力や柔軟性が乏しい
感覚に対する過敏さや鈍感さ
光や音、触覚などに対する刺激に過敏に反応する
痛みや温度などに対する刺激に鈍感に反応する
自閉スペクトラム症の診断
自閉スペクトラム症の診断は、医師による診察と心理検査に基づいて行われます。診断基準としては、DSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition)が用いられます。
自閉スペクトラム症の治療
自閉スペクトラム症の根本的な治療法はありませんが、症状を改善するための療育や治療があります。療育や治療には、以下のようなものがあります。
行動療法: 望ましい行動を強化し、問題となる行動を減らす療法です。
言語療法: コミュニケーション能力を向上させる療法です。
感覚統合療法: 感覚の処理能力を向上させる療法です。
薬物療法: 症状によっては、薬物療法が有効な場合があります。
自閉スペクトラム症は、一人ひとりによって症状や程度が異なるため、個々に合わせた療育や治療が重要です。
自閉スペクトラム症について詳しく知りたい場合は、以下の参考URLを参照してください。
厚生労働省 - 自閉症スペクトラム障害: https://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html
自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?わかりやすく解説 - 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html
国立研究開発法人国立成育医療研究センター - 自閉症スペクトラム障害: https://www.smilenavigator.jp/asd/abc/
その他
自閉スペクトラム症は、決して治すべきものではなく、個性の一つであるという考えが近年主流になっています。自閉スペクトラム症を持つ人が、自分らしく生きられる社会に向けて、様々な取り組みが行われています。
ご参考になれば幸いです。