幻肢
心理学における「幻肢」:失ったはずの手足などの体の一部を感じる現象
幻肢(げんしつ)とは、事故や病気で四肢を切断した後も、切断したはずの手足が存在するような錯覚(phantom limb awareness)や、失ったはずの手足が存在していた空間に温冷感や痺れ感などの感覚(phantom sensation)を知覚する現象を総称します。
幻肢の種類
幻肢は、主に以下の2種類に分けられます。
感覚幻肢: 失ったはずの手足が存在するような錯覚や、失ったはずの手足が存在していた空間に温冷感や痺れ感などの感覚を感じる。
運動幻肢: 失ったはずの手足が勝手に動いているような感覚を感じる。
幻肢の原因
幻肢の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。
脳内の神経回路の異常: 切断された手足の神経回路が、脳内で活性化し続けることによって、幻肢が生じると考えられています。
心理的な要因: 切断に対する喪失感やトラウマなどが、幻肢の症状を悪化させる可能性があります。
幻肢の治療
幻肢の治療には、薬物療法、理学療法、心理療法などがあります。
薬物療法: 抗てんかん薬や抗うつ薬などが使用されます。
理学療法: 鏡を使った運動療法や電気刺激療法などが行われます。
心理療法: 認知行動療法やカウンセリングなどが行われます。
幻肢の研究
幻肢の研究は、脳科学や心理学などの分野で盛んに行われています。幻肢のメカニズムを解明することで、より効果的な治療法の開発に役立つことが期待されています。
参考URL
幻肢痛 - 脳科学辞典
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%B9%BB%E8%82%A2%E7%97%9B
失った手足の痛みを感じる仕組み - 東京大学
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00414.html
幻肢痛の全て!原因から治療法、心理的影響まで徹底解説 | リペアセルクリニック東京院
https://fuelcells.org/topics/32053/
補足
幻肢は、切断後の人だけでなく、脳卒中や脊髄損傷などの病気によって手足に麻痺がある人にも現れることがあります。また、幻肢は痛みを伴う場合もあり、幻肢痛と呼ばれています。幻肢痛は、治療が難しい症状の一つであり、患者の生活の質を大きく低下させる可能性があります。
今後も、幻肢に関する研究が進められることで、より効果的な治療法や予防法が開発されることが期待されています。