心理学用語

神経伝達物質

"心理学における「神経伝達物質」

神経伝達物質は、神経細胞間の情報伝達を担う化学物質です。脳内には数百種類もの神経伝達物質が存在し、それぞれ異なる役割を果たしています。

主な神経伝達物質と役割

アセチルコリン: 運動制御、記憶、学習に関与

ドーパミン: 運動制御、報酬、動機付けに関与

ノルアドレナリン: 覚醒、注意、集中力に関与

セロトニン: 情緒調節、睡眠、食欲に関与

γ-アミノ酪酸 (GABA: 抑制性神経伝達物質。脳全体の興奮を抑制し、不安や緊張を軽減する役割

グルタミン酸: 興奮性神経伝達物質。脳内の神経細胞間の情報伝達を促進する役割

神経伝達物質の働き

1. 神経細胞の樹状突起が刺激を受けると、膜電位が変化し、活動電位が発生します。

2. 活動電位は、軸索を伝ってシナプスへと伝達されます。

3. シナプスに到着した活動電位は、シナプス小胞から神経伝達物質を放出します。

4. 放出された神経伝達物質は、シナプス後膜にある受容体に結合します。

5. 受容体が活性化されると、シナプス後膜の膜電位が変化し、活動電位が発生または抑制されます。

6. このように、神経伝達物質は、神経細胞間の情報伝達を媒介し、脳全体の活動を調整します。

心理学における役割

神経伝達物質は、様々な心理機能に関与していることが分かっています。例えば、以下のような心理機能は、神経伝達物質のバランスによって影響を受けます。

感情: 喜び、怒り、悲しみ、恐れなどの感情は、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質によって調節されています。

思考: 思考や判断、問題解決などの能力は、アセチルコリンやドーパミンなどの神経伝達物質によって影響を受けます。

学習: 記憶や学習は、グルタミン酸やGABAなどの神経伝達物質によって促進されます。

睡眠: 睡眠の覚醒と抑制は、セロトニンやメラトニンなどの神経伝達物質によって制御されています。

参考URL

神経伝達物質 | 三京房 心理学事典

https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/press/20230424.html

神経伝達物質とは?種類と役割をわかりやすく解説

https://zh.wikipedia.org/zh-cn/ja:%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA

神経伝達物質の働き | 脳科学辞典

http://bsi.riken.jp/

神経伝達物質の役割 | 脳科学辞典

https://zh.wikipedia.org/zh-cn/ja:%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA

補足

神経伝達物質は、脳の機能だけでなく、体の様々な機能にも関与しています。

近年、神経伝達物質と精神疾患の関係に関する研究が進められており、新しい治療法の開発にもつながっています。

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